会長挨拶

JACM 会長 岡田 裕
(東京理科大学 教授)

 この度、国内計算力学関連学協会から選出されたJACM運営委員の互選により、2018年4月〜2021年3月のJACM会長に選出されました。私は、2012年4月から2018年3月まで、吉村忍前会長の下で事務局長を務めてまいりましたが、引き続きJACMの継続的な発展に尽力させて頂く所存です。今、その責任の重さに身の引き締まる思いです。

 JACMは、IACM主催の計算力学に関する国際学術講演会(WCCM, APCOM, ECCOMAS, USNCCM等)の企画に参画することを目的とした、IACM (International Association for Computational Mechanics)(国際計算力学連合)の日本支部(IACM Affiliated Society)であり、国内の既存の学会とは独立した一種のアンブレラ組織です。2002年12月の設立から15年余が経過した現在、JACMには国内29の計算力学関係の学協会と300名超の個人会員が参加されています。前会長(矢部 孝 東京工業大学名誉教授、宮崎 則幸 京都大学名誉教授、吉村 忍 東京大学教授)の下で発展してきましたが、もうしばらくすると設立18年を迎え、今の日本の法律では成人になります。今後の新しい方向性を考える時期かと考えています。

 JACMは、会員の皆様へIACM主催の国際学術講演会情報のメーリングリストやメルマガによる提供を行ってきました。また最近では、国内若手研究者の研究活動をメルマガによる紹介や、国内計算力学コミュニティーの活動をIACM Expressionsを通して国際的にアピールすることにも注力してまいりました。これらは、国内の計算力学関係研究者の地位向上に結び付くものです。また、JACM Computational Mechanics Award、JACM Fellows Award、JACM Young Investigator Awardの贈賞も、計算力学技術者/研究者の地位向上に貢献できる、JACMの大きな役割の一つと考えています。

 現在、国内、国外を問わず、計算力学手法を基礎とする計算機援用工学(Computer Aided Engineering)はモノづくりに欠かせない工学ツールに発展しています。機械工学、土木工学、航空宇宙工学、医工学などに代表される各工学分野で多くの計算力学技術者/研究者が活躍されています。これから、JACMの活動が少しでも計算力学技術者/研究者の地位向上に繋がり、日本のモノづくりのさらなる発展や国際競争力の向上に寄与することを目指してJACMの運営をしていきたいと考えております。

 今後ともJACM活動へのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 2018年5月 岡田 裕